人魚姫の涙


「体大丈夫か?」

「ん...…」


恥ずかしそうにシーツに顔を埋めながら、紗羅はコクンと頷いた。

上がる頬のまま、その隣に滑り込む。

すると、モゾモゾとシーツの中で蠢いた紗羅は、俺の腕にすり寄ってきた。


「ねぇ、成也?」

「なに」

「気持ちかった?」


真っ青な瞳で俺を見上げて、恥ずかしげもなく紗羅はそう言った。

ド直球なその言葉に、今度は俺が真っ赤になった。


思わず口を押えて、目を逸らしてしまった。

すると、大きな瞳をパチパチさせて、こっちを覗き込む紗羅。


「どしたの?」

「なんでもない」

「気持ちかった?」

「~~~~っ」

「気持ちくなかったの?」


一向に口を割らない俺に、紗羅は心配そうに眉を下げて俺の顔を覗き込む。