人魚姫の涙




スヤスヤと天使の様に眠る紗羅。

ゆっくりと抱き上げて、そのままベットに運んだ。


昔見た寝顔と変わらない、あどけない表情。

ずっと見ていたい、と思う。

起こさないようにベットに置いて、寝顔を見つめる。

少し濡れた前髪を横に流すと、ギュッと一度瞳を閉じた。


「―――せい...…や?」

「目、覚めたか?」

「う...…ん」


この状況が分かったのか、急に頬を赤らめてシーツで顔の半分を覆ってしまった。

その姿が可愛くて、そっとおでこにキスをした 。