「成也」
名前を呼ばれる度に、幸せで胸が一杯になる。
まるで、天使を抱いている様な、そんな夢心地だった。
「あっ――んんっ」
愛撫をする度に、小さな口から零れる声。
可愛い声をもっと聴きたくて、紗羅の感じる所を舌で探す。
「せ...…いゃ…...」
僅かに震える声が、俺の理性を壊していく。
汗で湿った空気が、心地いい。
「紗羅」
「ん?」
「目開けて?」
横を向いて、枕を必死で掴みながら目を閉じていた紗羅にそう囁く。
すると、俺の声を聞いて、ゆっくり顔を上に向けた紗羅。
綺麗にカールした長い睫毛が、まるでスローモーションの様にゆっくり持ち上がった。
そして、その中に輝くサファイアの様なブルーアイ。
「綺麗だ」
そう囁いて、少し汗ばんでいるおでこにキスをする。
すると、照れくさそうに微笑んだ紗羅は俺の顔を両手でそっと包んで頬にキスをした。
「優しくする」
そう言うと、トロンとした表情のままコクンと頷いた紗羅。
ゆっくりと、紗羅の中に入る。
ぎゅっと目を閉じた紗羅が、弓のように仰け反る。
「ぁ……っ」
恥ずかしそうに口を手で覆う紗羅の両手首を掴んで、床に押し当てた。
「もっと聞かせて」
俺の名前を呼ぶ声を。
俺を感じる、その声を。
俺に囁かれる、愛の言葉を。



