人魚姫の涙


「悲しくて、悲しくて、どうしてみんなと一緒じゃないんだろうって。泣いてたの」

「うん」

「ずっとずっと落ち込んでたのに、成也の一言で私、この瞳の色が大好きになったの」


ずっと海辺で泣いてた私。

すると、急に現れた成也がそんな私の顔を覗き込んだ。


〝サラちゃんどうしたの″


何も言わず泣いてた私の頭を、成也はずっと撫でてくれた。

そして、やっと泣き止んだ私を見てニッコリ笑った。


〝サラちゃんの目、綺麗だね。お空の色と同じだ″

〝いいなぁ~、僕も同じ色がいい″


ポカンとする私を見て、成也はそう言った。

その瞬間、それまで感じていた悲しみが嘘のように消えていく。

真っ直ぐで、太陽みたいな成也が眩しかった 。