その先は、さすがに恥ずかしくて言えなくて。

その気持ちをぶつけるように軽く肩をぶつけると、匡さんはよろめくように少しだけ、私から距離をとった。

「確かに…………あそこでっていうのは…………ちょっと……まずかった、かな」

ごにょごにょ言う匡さんの耳は、見たことがないくらいに真っ赤に染まっていて、とてもかわいい。

「みんなに注目されちゃって、恥ずかしかったですよ……あれは、まあ、私が大声出したからかもしれないけど……」
「……うん……ごめん……」

耳まで真っ赤にしたまま、こっちを見ない匡さんの手を握り、きゅっと握る。

「嬉しかったです。とっても」
「……うん」

歩調を合わせて寄り添うと、数歩歩いたところで匡さんは足を止めた。
オレンジ色の光の前で向きうと、匡さんは、ふっと笑う。

「ここだったら、いい?」
「え?」

腕にくっついたままで、匡さんを見上げ、辺りを見回す。