……ううーん……でも、今日もごはん食べに行くから、匡さんにごちそうになっちゃいそうな気がする。

そうすると、やっぱり私の方が得しちゃってるんじゃないかな、これは。

今日会ったら、謝った方がいいのかな。


都合のいい男にしちゃって、ごめんなさいって。

…………変かな。


じゃあ、私ばっかり得しちゃってごめんなさい……?

…………それも変だよね、やっぱり。


うーん、じゃあ、なんて言えば…………あ、そんなことより、匡さん、そろそろ来るんじゃない?


時間を確認しようと、近くのビルに設置された大型スクリーンを振り返ると、すぐそこに匡さんが立っていた。

「あ」

ちょっと驚いたような匡さんの顔を見て、一気に顔がゆるむのが自分でもわかった。

「匡さん」

駆け寄って抱き着きたい気持ちを抑えつつ近づくと、ぱっと開かれた匡さんの両腕が私を抱きしめた。

「結婚しよう」