「昴」 「……っ!」 「ふっ、なにその反応」 顔を赤らめて照れている。 「だっていきなり名前呼ぶからじゃん!」 「昴は犬みたいでかわいいなぁ。よしよし」 「ちょっと、なんかむかつく」 パシッと私の手首を掴むワンコ。 「俺は犬じゃなくてどちらかと言うと狼だよ?」 「かわいい狼?」 「子羊みたいな菜穂ちゃんのこと食べようとしてる狼」 「それは困るなぁ」 「ねえ、バカにしてるでしょ? 割と本気なんだけど」