おばあさんの隣の席に座ろうと、
「そこ、座ってもいいですか?」
と聞こうとして、
「そこ、さわってもいいですか?」
と言ってしまって、おばあさんをびっくり仰天させたり、
「頭(あたま)」
と言おうとして、
「おまた」
と言ってしまって、真っ赤になったりして、たくさんの失敗を繰り返しながら、ディアナはキネビスの古語を習得していった。
ディアナは、古語が読めるようになるとすぐ、おばあさんの家にある長いはしごの付いた大きな本棚のところに行って、自分が読めそうな本を取り出した。
おばあさんの本棚は、古語で書かれた本が大半を占めていたが、他にも、ディアナには分からない文字が背表紙に並んでいる本もあった。ディアナは、自分の年齢にふさわしい絵本から読み始めたが、すぐにもっと大きな子が読むような、字ばかりで絵の無い本を読むようになった。
「絵のない本は、あっち側の世界に長く行っていられるから、楽しいの。」
それらの絵のない本は、ディアナを夢中にさせた。
ディアナは、ランディ先生との勉強が終わると、長い時間、本を読んで過ごすようになった。夕方になって、ベトリスが屋敷の出窓に目をやると、いつもそこに本をかかえたディアナの姿が見えるようになった。そして、ディアナは暗くなって本の字が見えなくなるまで、長い時間そこで過ごした。
そんなディアナに、おばあさんは、何も言わなかった。
「そこ、座ってもいいですか?」
と聞こうとして、
「そこ、さわってもいいですか?」
と言ってしまって、おばあさんをびっくり仰天させたり、
「頭(あたま)」
と言おうとして、
「おまた」
と言ってしまって、真っ赤になったりして、たくさんの失敗を繰り返しながら、ディアナはキネビスの古語を習得していった。
ディアナは、古語が読めるようになるとすぐ、おばあさんの家にある長いはしごの付いた大きな本棚のところに行って、自分が読めそうな本を取り出した。
おばあさんの本棚は、古語で書かれた本が大半を占めていたが、他にも、ディアナには分からない文字が背表紙に並んでいる本もあった。ディアナは、自分の年齢にふさわしい絵本から読み始めたが、すぐにもっと大きな子が読むような、字ばかりで絵の無い本を読むようになった。
「絵のない本は、あっち側の世界に長く行っていられるから、楽しいの。」
それらの絵のない本は、ディアナを夢中にさせた。
ディアナは、ランディ先生との勉強が終わると、長い時間、本を読んで過ごすようになった。夕方になって、ベトリスが屋敷の出窓に目をやると、いつもそこに本をかかえたディアナの姿が見えるようになった。そして、ディアナは暗くなって本の字が見えなくなるまで、長い時間そこで過ごした。
そんなディアナに、おばあさんは、何も言わなかった。
