「これは、僕が竜になって飛んで行ったときに見たあの湖だよ。何で、この湖が現れるんだろう。」
アレセスが、驚いたように言った。
「えっ?君、今すぐ行くつもりなの?」
アレセスは、またもやディアナの決断の早さに、半分あきれたように、半分感服したように言った。
「ええ、私は、用意が出来ているわ。あなただってそうでしょう?」
ディアナは、アレセスの目を見ないようにして、早口で言った。
ディアナは、行くと決めたからには、一刻も早く旅立ってしまいたかった。
勇気があったからではない。
ディアナにはわかっていた。
考える時間を、自分に与えれば与えるほど、自分の中で今もどんどんふくれあがっている未知の国に旅立つ恐怖から、自分自身が逃れることが出来なくなっていくことが。
アレセスは、そんなディアナの思いには気づかず、偉言書を渡して言った。
「開いてみて。」
ディアナは、この本は開けることが出来ないんじゃないの、と思いながら本の表紙を開いた。
「あっ!」
ディアナは、あまりのまぶしさに目を閉じた。
ディアナの閉じた金色に光るまぶたの裏に人の姿が映った。
優しそうな、でも悲しい目をした女の人だった。
その人は、ディアナの方に向かって手を差し伸べた。
驚いたディアナがじっと見つめていると、その人はすっと消えた。
同時に、目を開けていられないほどのまぶしさも消えた。
ディアナは、今現れた女性のことを、アレセスに聞いてみようと思いながらそっと目を開けた。
アレセスが、本をのぞきこんでいる。
本からは、さっきアレセスが言っていたようにかすかな音がし始めていた。
ディアナは、アレセスの方に近寄って行き、おそるおそる中を見た。
そこには、山に囲まれた湖があった。
美しい緑色の水を満々とたたえた湖だ。
音は、やはり、本の中から出てきているようだった。
山鳴りのような、地響きのような音だった。
水のしたたる音が、どこかで反響するように聞こえていた。
緑の湖水は、日の光を受けて、きらきらと輝いていた。
湖の周りには、灰色の鋭い峰の連なる山々がいくつもそびえていた。
アレセスが、驚いたように言った。
「えっ?君、今すぐ行くつもりなの?」
アレセスは、またもやディアナの決断の早さに、半分あきれたように、半分感服したように言った。
「ええ、私は、用意が出来ているわ。あなただってそうでしょう?」
ディアナは、アレセスの目を見ないようにして、早口で言った。
ディアナは、行くと決めたからには、一刻も早く旅立ってしまいたかった。
勇気があったからではない。
ディアナにはわかっていた。
考える時間を、自分に与えれば与えるほど、自分の中で今もどんどんふくれあがっている未知の国に旅立つ恐怖から、自分自身が逃れることが出来なくなっていくことが。
アレセスは、そんなディアナの思いには気づかず、偉言書を渡して言った。
「開いてみて。」
ディアナは、この本は開けることが出来ないんじゃないの、と思いながら本の表紙を開いた。
「あっ!」
ディアナは、あまりのまぶしさに目を閉じた。
ディアナの閉じた金色に光るまぶたの裏に人の姿が映った。
優しそうな、でも悲しい目をした女の人だった。
その人は、ディアナの方に向かって手を差し伸べた。
驚いたディアナがじっと見つめていると、その人はすっと消えた。
同時に、目を開けていられないほどのまぶしさも消えた。
ディアナは、今現れた女性のことを、アレセスに聞いてみようと思いながらそっと目を開けた。
アレセスが、本をのぞきこんでいる。
本からは、さっきアレセスが言っていたようにかすかな音がし始めていた。
ディアナは、アレセスの方に近寄って行き、おそるおそる中を見た。
そこには、山に囲まれた湖があった。
美しい緑色の水を満々とたたえた湖だ。
音は、やはり、本の中から出てきているようだった。
山鳴りのような、地響きのような音だった。
水のしたたる音が、どこかで反響するように聞こえていた。
緑の湖水は、日の光を受けて、きらきらと輝いていた。
湖の周りには、灰色の鋭い峰の連なる山々がいくつもそびえていた。
