アレセスは、ディアナがまるで亀のように首だけ前に突き出して、目を大きく見開き、自分をあまりにも真剣な目で見つめて話を聞いていることに気が付いて、その様子に吹き出しそうになった。
しかし、それはあまりにも失礼だと思い、笑いをこらえながら、何気ない様子でディアナから目をそらして、こぶしを自分の口に当て、せきをして笑いをごまかした。
そして、ディアナの様子には気づかないふりをして、話を続けた。
「あそこは僕にとって、全く突然に表れた、わけのわからない所だった。今だって、恐ろしくないといえば、うそになる。でも、僕は、あそこで自由に動き回れた自分が忘れられなかった。歩けるだけじゃなく、飛ぶことさえも出来た。ここでは、こうやって、このいまいましいものに縛り付けられているこの僕が……」
そう言って、アレセスは自分の乗っている車いすのフレームを力を込めて、たたくようにして触った。
「僕は、あそこで感じたあの開放感がわすれられない。ユーディアで過ごした時間は、ぼくにとってすばらしい感覚の連続だった。僕はあの国に、もう一度、どうしても行きたい。僕が自由に動くことの出来る国に。あそこでなら、僕は役に立つかもしれないんだ」
アレセスは、怒ったように言った。ディアナには、自分が言うべき言葉を見つけることが出来なかった。
「それに……」
アレセスは、自分が竜になって飛んでいったかなたを眺めるように、窓の外に目をやって、言いよどんだ。
「それに、何?」
ディアナは、身を乗り出すようにして言った。
アレセスは、窓から目を離した。
アレセスの部屋の窓から、沈んでゆく夕日の赤い光が差し込んでいた。
しかし、それはあまりにも失礼だと思い、笑いをこらえながら、何気ない様子でディアナから目をそらして、こぶしを自分の口に当て、せきをして笑いをごまかした。
そして、ディアナの様子には気づかないふりをして、話を続けた。
「あそこは僕にとって、全く突然に表れた、わけのわからない所だった。今だって、恐ろしくないといえば、うそになる。でも、僕は、あそこで自由に動き回れた自分が忘れられなかった。歩けるだけじゃなく、飛ぶことさえも出来た。ここでは、こうやって、このいまいましいものに縛り付けられているこの僕が……」
そう言って、アレセスは自分の乗っている車いすのフレームを力を込めて、たたくようにして触った。
「僕は、あそこで感じたあの開放感がわすれられない。ユーディアで過ごした時間は、ぼくにとってすばらしい感覚の連続だった。僕はあの国に、もう一度、どうしても行きたい。僕が自由に動くことの出来る国に。あそこでなら、僕は役に立つかもしれないんだ」
アレセスは、怒ったように言った。ディアナには、自分が言うべき言葉を見つけることが出来なかった。
「それに……」
アレセスは、自分が竜になって飛んでいったかなたを眺めるように、窓の外に目をやって、言いよどんだ。
「それに、何?」
ディアナは、身を乗り出すようにして言った。
アレセスは、窓から目を離した。
アレセスの部屋の窓から、沈んでゆく夕日の赤い光が差し込んでいた。
