時々、ディアナのところには、プレゼントの箱が届いた。

毎年、毎年、十二月に入り、木々が身にまとっていた赤や黄色の鮮やかな衣を、半分ほど脱ぎ捨てて、めぐり来る命の息吹きの時を待つために、眠りにつこうとするときになると必ず、そして、ディアナが誕生日を迎えるころにも、それから、何の記念日でもないときにも。 

プレゼントの箱はいつも、いつもやってきた。

 その箱の中身は、ディアナにとってうれしいものばかりではなかった。

一体何に使うのか、ディアナにはさっぱり分からないものもあった。

それでも、ディアナはいつもわくわくしながらその箱を開けた。

 入っていたのは、素敵な携帯用お絵かきセット(これは、十五センチ角くらいの取っ手の付いたうすい木の箱に百二十五色の絵の具、筆、パレット、いつでも欲しい色が必ず見つかる二百色セットの色鉛筆、細長くて色とりどりの透き通った蝋(ろう)クレヨンと、そして小さなスケッチブックが入っていた)

 小さな緑色の石のはまった、ディアナの指には大きすぎる指輪。
 
 冬の朝、庭いっぱいに輝いている霜を集めて作ったように、キラキラと輝いていて羽のように軽くて柔らかい、でも信じられないくらい温かい、うす緑色のマフラー。
 
 何に使うのか分からない、細い木の枝がたくさん入っていたこともあった。

 顔や手足が木でできた抱き人形は、友達のいないディアナにとって、長い間一番の理解者だったし、ウサギの形の時計は、長いことディアナの部屋の中で一番の宝物の座についていた。(この時計は、一時間おきに本物そっくりの背丈三センチほどの小さなウサギが、時計ばんの下についている小屋から走り出てきて、小さな鼻をヒクヒクさせながら後ろ足で立って、その時刻の数だけ、キュッキュッとかわいい声で鳴くというものだった。ディアナが十歳をだいぶ過ぎたある日、久しぶりでその時計を見ると、ウサギはいつの間にかいなくなっていた)