俺が不思議な夢から目を覚ますと、深冬が俺を抱えながら歩いていた。

「あ、目が覚めた?」

深冬が微笑みながら言った。美影は、俺を心配そうに見つめる。俺は、深冬に頼んで降ろしてもらった。

「……悪霊は?」

「いなくなった…気配も完全に無くなったから探しようがない…だから、とりあえずは千晴を家に送り届けようとなって……」

俺が深冬に問いかけると、深冬は首を横に振りながらそう答えた。

俺は、さっき見た夢を思い出した。俺に似た少年が縁側で寝転がる夢だ。

……さっきの夢に出てきた少年、俺に似ていたけど深冬の雰囲気もあるんだよな…。

「じゃあ、僕はこっちだから…また明日ね」

美影は、俺と深冬に向かって微笑みながら手を振った。俺と深冬は「うん。また明日」と美影に向かって微笑む。

俺たちもいつもの別れ道まで歩き始めた。深冬にさっき見た夢の話をする。

「……そう言えば、僕もそんな感じの夢見たな」

深冬は、何かを考えながら言った。

「とりあえず、またそんな感じの夢を見たら2人で共有しようか。何か分かるかもしれないし」

「そうだね……じゃあ、また明日!」

俺は深冬に向かって微笑んだ。深冬も微笑んで「明日ね」と言った。