少年は、優しい風を浴びながら縁側に腰掛けて座っていた。

少年の膝の上には、黒猫と白猫が座っている。少年は、黒猫と白猫を撫でながら空を見上げた。

「……もうすぐで、僕は転生するのか…後のことは姉上に任せようかな」

そう言って少年はふわ、と伸びをして後ろに倒れ込んだ。そして、深いため息をつく。

「転生して行った母上たちは元気なんだろうか…?また、会えるのかな…母上…もう一度会いたいな」

少年の瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。ハッと少年は首を横に振る。

(ダメだ…!母上が転生してから、もう何十年も経つから母上が居ないからって泣いちゃダメだ)