朔さんが授業をしてくれてから数日経ったある日の夜。俺は、悪霊と向き合っていた。普段よりも強い霊気が渦巻いている。

「何だろう……この悪霊の霊気は…」

俺は、御札を構えてゆっくりと悪霊に近づく。近づくごとに足取りは重くなり、嫌な汗が俺の頬を伝う。

「…千晴!!」

近くから俺の名前を呼ぶ声と足音が聞こえる。この声は、深冬と美影だ。

「深冬…美影…」

深冬と美影の姿を見た瞬間、俺の目の前が真っ暗になった。