星と太陽に魔法の歌を

「え、だ…誰?」

太郎くんの家にあるリビングの隅で2人の少年が俺を見て怯えていた。

「いいか、お前ら…絶対にこいつを家に上げたこと内緒だぞ?」

「…家に上げるのダメだったら、他の場所で話せば良かったんじゃ?」

太郎くんは首を横に振ると「この家でしか話せないからな…」と言った。

…それだけ、他人に聞かれたくないことなのか。

「あ、こいつらは…俺の弟たち。こっちが次郎(じろう)で、こっちが三郎(さぶろう)。俺と次郎、次郎と三郎は一歳違いなんだぜ!」

太郎くんは、怯えていた少年を紹介した。俺も自己紹介する。俺は、太郎くんにとある質問を投げかけた。

「…ねぇ。昨日と態度違うけど、どうしたの?」

「あ、えっと…これが普段の俺なんだ。昨日の俺は、演じていた俺。昨日、お前にぶつかった時にくれたキーホルダーに小さな紙が入っていてな」

「…そうなんだ」

あの紙には『このキーホルダーをくれた人に相談事をしてみよう!君の支えになるはずだよ』と書かれていた(ちなみに、友達はふざけてこの内容の手紙を書いた)。

「知らなかったのか?」

「気づかなかった…このキーホルダー、俺の友達からもらったものだから…」