8月の中旬の土曜日。俺は、氷翠と瑠梨で体験入学会のために魔法学校へ来ていた。 「…千晴、だよな?」 魔法学校にある『魔法実演室』という雨の日やテストで魔法演習の授業をする際に使う部屋で俺たちが皆を待っていると、部屋に入って来た先生の後ろに立っていた少年が声をかけてきた。 俺が中学生の頃、俺に絡んできた小学生だった。俺は不意に昔のことを思い出した。