そんな玲奈を変えたのは、結依なのだ。結依が居なければ、例え玲奈が転生したとしても人には興味が無い子になっていただろう。

「玲奈?どうしたの?」

玲奈が診療所を出ると、近くにいた影光が話しかけた。

「影光…?どうして…」

玲奈は涙が溜まった目で、影光を見つめる。玲奈は、深い青色の目から透き通った水色に変わったのを見て驚いた。ふっと影光が柔らかく微笑む。

「玲奈…聞こえてる?私、結依だよ」

影光がそう言った時、玲奈はある事に気づいた。

(影光…もしかして、依代の力を持っているのか?自分の体に神様を宿し、神様の力を使う能力……または神様が神がかりをする時にそれをしやすくする能力じゃん…)

「え!?ゆ、結依様?」

「うん。ごめんね?早く命を落として…完全にさようならになるけど、玲奈は強く生き抜いてね」

「……分かりました」

玲奈がそう微笑むと、影光は満足そうに笑った。次の瞬間、影光の体が崩れ落ちる。玲奈は、慌てて影光の体を支えた。

「…あれ?玲奈…?」

「影光、大丈夫?いきなり倒れたんだけど…」

「大丈夫だよ。でも、玲奈…もう大丈夫なの?さっきまで泣きそうな顔してたじゃん」

影光の問いかけに、玲奈は「大丈夫だよ。ねぇ、影光…?また、遊びに来てもいい?」と微笑んだ。

「もちろん!良いよ。いつでも待っているから」

影光は幸せそうな笑みを浮かべた。