「初めまして。僕の名前は、神城(かみしろ) 深冬と言います…よろしくお願いします」
僕は自己紹介をして頭を下げた。先生に席に座るように促され、僕は美影の前の席に座った。
今日は始業式のためにこれで授業の全てが終わり、すぐに美影の方を振り向いた。美影は、首に首飾りをかけていない。
「てことで、よろしく」
美影に軽くあいさつをした。美影は「なんか久しぶりだね。こうやって教室で話すのは」と言いながら、席を立つ。
「…1人で帰る時、僕の家に来て」
美影の耳元でそうささやくと、僕はクラスメイトの相手をしながら教室を出た。
クラスメイトの相手をすること数分、僕はやっと1人になった。
「おーい!深冬」
「…どうしたの?千晴(ちはる)」
僕の友達である少年、水瀬(みなせ) 千晴が僕に寄ってきた。千晴も僕の幼なじみで僕と同じ力を持っており、僕が小学一年生の時に転校して行き、魔法学校に通っている。
「氷翠(ひすい)っていう女の子…あの子も取り憑かれやすい体質だよ」
千晴は、魔法学校2年生の時に氷翠と美影で話をしたことがあるらしい。
「そっか…霊石の首飾りは渡してあるの?」
千晴は無言で首を横に振った。そして「大丈夫だよ。最近、俺が作ったものだから…それに、渡すのは美影と一緒にいた方が良いでしょ」と言った。
「そうだね…美影のは、未熟な僕が作った簡易の首飾りだから…今日、美影に渡すつもり。じゃあ、明日…氷翠に渡すか」



