屋上に来てから数分。魔法で美影と氷翠、琥白と瑠梨が現れた。

「あれ、千晴も屋上に来てたんだ…」

美影は、俺に向かって微笑んだ。美影のその笑顔は、女の子のようにも見え、心が癒されるような気さえする。

「…もうすぐ始まるよ」

朔さんは、そう言って夜空を見上げた。俺たちも朔さんにつられて空を見上げた。

その瞬間、花火が上がり俺らを照らした。その花火の美しさに思わず見とれた。

「君がいなくても
ずっと心の中に
僕は叫び続ける

独りじゃない
君は僕を照らす光

僕の命が朽ち果てるまで」

俺は花火を見ながら、思いついた詩を詠った。皆の様子は見えないが、皆は驚きもせずに俺の詩に耳を傾けているのが分かった。

「優しく僕を照らす君は星
僕を助けてくれる君は太陽

だから、僕は歌う。魔法の歌を」

俺はそう言い切ると、目を閉じた。脳裏に俺にとって星でもあり、太陽でもある深冬の笑顔が映った。まるで、その笑顔は俺に「ありがとう」と言っているかのようだ。

俺は目を開けると、夜空に向かって微笑んだ。