星と太陽に魔法の歌を

「…俺の幼なじみが…俺の親友が死んだの…っ!」

俺がそう言うと、3人は驚いた様子で俺を見た。

「…だから、辛くて」

俺が目を伏せると、俺の脳裏に深冬の笑顔が映った。

「その幼なじみって、深冬のことか?」

「え…そうだけど、覚えているの?」

俺が太郎くんに問いかけると、太郎くんは「千晴の大切な人なんだろ?花火大会の時に見て分かった」とうなずきながら微笑んだ。

「千晴、今度は俺たちが…千晴を助ける番だ」

「え?ど、どういう…」

「千晴は、あの時俺たちを助けてくれたから。だから、今度は俺たちが助ける番だよ」

次郎くんはそう言って、ふわっと微笑む。三郎くんも大きくうなずいた。

「……ありがとう」

俺は太郎くんと次郎くんの言葉に、自然と笑顔になっていた。

「……ちょっとこっちに来い」

太郎くんに連れて来られ、俺は魔法学校の図書館に来ていた。

「…千晴」

上から美影の声が降ってきた。上を見上げると美影と氷翠が空中に浮きながら、こっちを見ていた。琥白と瑠梨はイスに座って、こちらを見ている。

「どうして、皆がここに…?」

「…深冬と千晴の誕生日を祝うために」

俺は、美影が放った言葉に驚いていた。美影は、いつものように微笑む。まだその瞳の奥にある辛さは消えていないけど。でも、前よりか辛さは消えてはいるようだ。

「でも、俺の誕生日は過ぎたよ?」

「その日、学校に来なかったじゃん。だから、皆で話し合って2人の誕生日を一緒に祝おうって」

確かに、俺の誕生日は学校に行かずに部屋に閉じこもっていた。

「それに、朝から何も食べていないでしょ…体に悪いよ?」

氷翠が俺を見ながら言う。

「じゃあ、移動しようか」

そう言って、氷翠は俺らに魔法をかけた。