その手紙を後ろに向ける。後ろには、見慣れた字で文章が書かれてあった。


ありがとう。晴之も心配してくれてるのかな?僕は、命を落とす危険があっても絶対に封印するよ
美影の依代の力の方が危険だから。例え、自分が犠牲になろうとも…美影は、僕が助ける。
皆、ありがとう。皆、僕の大切な友達。皆、大好きだよ。

僕が居なくなっても、ずっと君の心の中に。


俺は、その場で泣き崩れた。目からこぼれた涙が手紙に落ち、手紙を濡らしていく。

「……どうして、深冬は1人で?どうして晴之は…俺にもこれと同じ手紙をくれなかったの!?……どうして、美影はこの手紙の存在をしているの…!」

「…昨日の帰り道、この霊石の首飾りが急に光り始めて…それがちょうど深冬の家の前でさ。まるで入って来いって言っているかのように、首飾りが深冬の家を照らしていたから……」

「じゃあ、何で深冬は…美影の力を封印しようと?」

「……深冬が言ってた。僕の力は、年齢を重ねるごとに命を落とす危険性が高くなる力だって。僕の身を案じて…したことだと思う」

「……っ!」

深冬のその優しさが、時折嫌になる。今、深冬がいたら俺は、真っ先に深冬を殴っているだろう。

「深冬のバカ…っ!」

俺は、美影に抱きついて泣いた。美影も俺と一緒に泣き始めた。