今日から冬休みが始まった。俺の気持ちは、昨日美影に全てぶつけて少しは楽になったような気がする。

「あ、美影…」

俺が街を歩いていると、美影とすれ違った。美影は辛いはずなのに、泣きもせず俺をじっと見つめる。

「……僕、知ってるんだ。深冬が、命を落とした理由を――」

そう言って、俺をとある場所へと魔法を使って移動させた。美影に連れて来られた場所は、深冬の家だったところ。机上には物や紙が散乱している。美影は、その中から1枚の紙を手に取り、俺に読むように促した。


初めまして。僕の名前は晴之。深冬と千晴の前世。
僕は、ずっと深冬の中で眠っていた。もし、深冬に僕の力が戻った時、美影の依代の力を封印したいのなら…方法を教えてあげる
でもね、深冬は人間。例え、僕の力が戻ろうと…美影の中に入れようとも人間だ、と言う事を忘れちゃいけないよ

だって、その方法は――命を落とす危険性があるから
それでも、封印したいのなら…まぁ、君なら…するかもしれないね。
その方法は、とっても簡単。下に書いてある詠唱文を美影の中で唱えるだけ。簡単だけど、命を落とす可能性が高いから覚悟を決めてから…ね。

その詠唱文は『東西南北の守り神よ。四方を結び、この依代の力を封印せよ。永劫、この依代の力を封ずる』だよ


俺は、不思議な手紙を読んで驚いていた。