俺が目を覚ますと、俺は魔法学校の校庭で横になっていた。橋本先生が俺の顔を覗き込んでいる。

「……水瀬、大丈夫か?」

「…大丈夫だよ」

隣には、深冬が眠っている。皆の辛そうなその様子に何故か違和感を覚えた。嫌な予感だけが募っていく。

「深冬…?ねぇ!」

「千晴くん…」

俺に声をかけてきたのは、加藤さん。もう70代の現役医者だ。加藤さんは、病院がたまたま休みになったためにこの魔法学校の文化祭に来ていたらしい。

「皆も良く聞きなさい」

加藤さんは、俺を真剣な顔で見つめた。俺の心臓は嫌な音を立てている。

「深冬くんは――さっき命を落としました」

「…嘘…だよね…?嘘だ、と言ってよ!ねぇ!!」

俺は、加藤さんの言葉をずっと否定し続けた。しかし、加藤さんは目を伏せて何も言わない。真実だ、と信じざるを得なかった。

俺と美影は、その場で泣き崩れた。琥白や氷翠、瑠梨も泣きそうな顔になっていた。

「……お前、何で俺よりも先に行くんだよ。調合師になるものか…!深冬の言っていたように、調合師になってやらないぞ…!!絶対に…調合師になんてならない!魔法だって使うもんか!!」

琥白もそう言って泣き崩れる。琥白は、深冬に魔法を教えてもらっていたのだ。

「どうして…どうして…!?深冬、帰って来てよ!!」