美影が目を覚ますと、その場から立ち上がってさっきよりもボロボロになっている皆を見つめ、美影は眉を下げた。

(さっき、深冬が泣いていた理由が知りたい。でも、聞くのは悪霊を倒してからだ)

「由美、美依。僕に力を貸して…!」

美影は、由美と美依に声をかけた。2人は、戸惑いながらもうなずく。そして、2人は美影の中に入っていく。

次の瞬間、美影の目の前に真っ白な刀と真っ黒な刀が抜き身の状態で現れた。美影は、真っ先に真っ黒な刀を手に取ると悪霊に向かって刀を振り続けた。黒いレーザーが悪霊に向かって飛んでいく。

美影は刀を握り直し、跳躍魔法を使い、悪霊に向かって跳んだ。

「ソレイユ!ステラ!」

美影が名を呼ぶと、2本の刀が白猫と黒猫の姿に変わる。白猫のソレイユと黒猫のステラは、深冬と千晴の使い魔だ。

「……我が光となれ」

ソレイユとステラは、光に包まれて1つになる。そして、美影の手の中で刀となった。刃と柄は闇のように黒く、鍔と金具は雪のように白い。柄尻から伸びた真っ白なリボンが風に揺られている。

美影は、ある程度の高さで浮遊魔法に切り替えて止まった。そして、両手で刀を握る。

悪霊は、美影に向かって刀を振り下ろす。それを美影は避け、刀を薙ぎ払った。