僕がこの空間の中を歩き回っていると、この空間に美影が降ってきた。

「美影!?」

僕が美影に近寄ると、美影はゆっくりと立ち上がる。そして、僕を見つめて驚いていた。

「晴之…?ってことは、ここって…」

美影は、落ち着いた様子で僕を見つめた。そして、美影は何かを話そうと口を開く。

「……ねぇ、晴之――」

「深冬でいいよ」

「いや、深冬って呼ぶと違和感があるから…」

「そっか。じゃあ、晴之で…あ、聞きたいことは分かるよ。どうして僕が美影の中に入って来たのか、でしょ?美影の声が聞こえたわけじゃなけど何となく分かる」

僕がそう言うと、美影は驚いた顔で僕を見つめた。

「良く分かんないけど、感覚で分かるんだ。えっと……知りたいんだよね?…美影の依代の力は、実は1人だけの力を借りるだけではなくて数人の力を使うことが出来るんだ。その力を引き出すために僕がここにいる。僕の封印の力で、美影の奥底にある力を解放してるとこ」

そう言って、僕は封印石を手に取った。

「美影。この力で悪霊を倒して…お願い」

僕は、美影に泣きながら言った。僕が泣いている理由は――