「……遅くない。むしろ、早いと思う。やっぱり、琥白は調合学の天才だ」

そう言いながら、美影は何も無いところから沢山の御札を作り出した。

とある疑問が美影の頭の中に浮かぶ。

(あれ…?霊能者としての力は、僕の中に入らなくても使えると思うのに…何で僕の中に?それに、深冬は悪霊を封印する、じゃなくて、悪霊を倒すって言ってたよね…?)

そんな疑問を抱きながらも、美影は作り出した御札を悪霊に向かって投げた。しかし、悪霊はその御札を叩き落とす。そして、悪霊の背後から現れた由美が放ったレーザーを避けた。

そのレーザーが橋本先生に向かって飛んでいく。橋本先生は、そのレーザーが見えているようで、それを見ながら立ち尽くしていた。

その間に美影が割って入る。レーザーが美影に直撃し、橋本先生の方に吹き飛んだ。美影を橋本先生は、上手く受け止める。

「近藤、大丈夫か!?」

橋本先生は、美影を揺さぶりながら声をかける。しかし、美影は反応せずに眠っていた。