そう言って、美影は両手を重ね合わせ、悪霊に向ける。氷翠は、魔法円を残したままその場から大きく飛び退いた。

「我が命に従い、光を放て。さすれば、我が道の光とならん。この地に影落つる神を拝みて、この天を照らす神を祀りし者よ。この天地に制される我の祈りに応えよ!」

光の玉が魔法円に当たる瞬間、氷翠は魔法を解いて魔法円を消した。光の玉が悪霊に襲い掛かり、美影が作り出した大きくなった魔法円の中心からいつくものレーザーが悪霊に向かって飛んでいく。

橋本先生は、2人の行動を呆然と見ていた。そして、橋本先生は悪霊に目を移す。橋本先生は、この悪霊がはっきりと見えているのだ。

悪霊は、美影の魔法に当たり、橋本先生の方に倒れ込んだ。

素早く橋本先生の体を押した美影の上に悪霊が乗った。地面に倒れ込んだ美影は、悪霊の重みで全く動くことが出来なかった。

悪霊は立ち上がり、体制を整える。その後ろから氷翠の後を追っていた美依が光の鎖が悪霊の腕に巻きついた。

その瞬間、上から降ってきた魔法瓶(魔法薬が入っている入れ物)が悪霊に当たった瞬間、魔法瓶が爆発した。

「……よし、上手く行った!」

その様子を見ながら立ち上がっていた美影の元に、琥白が降り立つ。

「遅くなってすまん!瑠梨と由美さんに手伝ってもらって、魔法薬を作っていた。あの魔法薬は、魔法をかけると爆発する仕組みになっているらしい。由美さんに、レシピを教えてもらって作った。その方法も聞いててな…」