僕は、千晴の言葉に少し救われたような気がした。
「結依さん。僕、もう一度…悪霊を封印します。いや、倒します!」
僕は結依さんに向かって言った。千晴も覚悟を決めたように大きくうなずく。
「分かった…悪霊の場所は分かっている。でも、あの悪霊は晴之も苦戦した…それでも行きたい?」
……そんなの、答えは1つしかない。
――悪霊を倒すのが俺の仕事だから。
絶対に…命を落としてでも。
――例え、勝てなくても…。
「絶対に悪霊を倒したい!」
僕と千晴の声が重なる。次の瞬間、僕たちの姿は光に包まれた。
光が収まり、目を開けてみると、皆は驚いた様子で僕を見ていた。
「……晴之だ」
結依さんがそう呟く。由美と美依も「完全に晴之だ!」と僕に抱きついてきた。さっきまでいた千晴の姿は見当たらないが、僕の心の中にいるのだ、とそう思った。
僕の姿が鏡に映る。僕の目は――桃色と水色で、左右の目の色が違う。
「美影、僕の力を使って。美影なら僕の力を使いこなせるだろうし、この地上では普段の力が出ない、そう感じるんだ」
「……分かった。氷翠たちは――」
「私も行くよ」
氷翠は、真剣な眼差しで僕たちを見つめる。琥白たちも大きくうなずいた。
「分かった。急ぐよ!」
結依さんが叫ぶと、僕は美影の中に入った。こうした方が最大限に力を使えるだろう、と思ったから。
…普通に美影の目線からになるけど、景色は見れるから大丈夫だ。
美影は、結依さんの後に続いて保健室を飛び出した。