「……それで深冬を見かけた時に、私は思ったの。――晴之の生まれ変わりだって。でも、千晴も深冬も晴之の生まれ変わりだと気づいた時に違和感を感じて…深冬の霊能者としての力が強すぎるんだ」

「僕の…力が強い…?」

深冬は、首を傾げる。結依は、ゆっくりとうなずくと口を開いた。

「そう。美影が良く倒れたり、千晴や深冬が良く悪霊に取り憑かれるのは深冬の霊能者としての力が強すぎるから。魔法薬を作るために、魔法草を取りに森に入った時に…晴之が施した封印が完全に解かれていた。それは、晴之自身が持つ力が強いから…晴之が持つ力は『封印の力』」

結依のその言葉に、俺の心臓が嫌な音を立てた。

「封印の力とは、力やものを封印する力でその強弱も自由自在。その封印も解くことが出来る能力なんだ。由美や美依も封印は出来るけど、その上を行くのが晴之の力…その力が制御されていないから、封印が解かれたんだと思う……千晴もその能力を受け継いでいるんだよ」

深冬は、思い詰めた顔で結依の話を聞いている。

――僕のせいだ。僕のせいで、皆に迷惑をかけているんだ…。

突然、俺の頭の中で響く深冬の心の声。深冬の水色の瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。

「違う……」

俺は、深冬に向かって言う。皆は、驚いて俺を見つめた。

「違う。深冬のせいじゃない」

「……え?」

「…深冬は、悪くない。だから、自分を責めないで…」