俺が目を覚ますと、深冬が無表情で俺を見下ろしていた。
「あ、千晴…」
俺は、その場から起き上がると辺りを見渡した。魔法学校にある保健室にいる。この保健室には、深冬、美影、由美、美依、琥白、瑠梨、氷翠がいる。
「……深冬、俺が目を覚ます前に…夏休みの時に見た映像にいた、髪の長い女性――そうだ。結依さん?を見かけたんだけど……」
俺がそう言うと、由美と美依は同時に「え!?」と驚いていた。
「お姉ちゃん……」
「そうだね。お母様は、2人を1つに戻そうと…そうなると、晴之が封印した悪霊が――完全に解かれてから、力が膨大になっている可能性がある…もう皆に話そうか…深冬と千晴は、晴之の生まれ変わりなんだ。つまり、2人で1人だった」
由美は、俺と深冬を見つめながら言う。
「……詳しいことは彼女から聞こう。そろそろ姿を見せても良いんじゃないの?お母様」
「あらら……見つかったか…2人とも成長したね」
天井付近から女性が現れ、きれいに着地する。ふわ、と赤い着物が揺れた。どこから取り出したのか霊石の首飾りが、首にかけられている。
「初めまして。私は、結依。由美と美依…そして、晴之の3人の子を持つ神様だよ」
結依は、そう言って微笑んだ。
「……私、影光の体を借りて玲奈に別れを告げて成仏する――予定だったんだけど、何十年も幽霊として神様として、この地上をさまよってたんだ」



