……ここはどこだろう…?

俺は、悪霊に気絶させられて気がついたらこの辺りが真っ白な空間に来ていた。

「…誰かいるの?」

俺は、誰かいるかを確認する。しかし、声が返って来ない。恐らく、誰もいないのだろう。

「ねぇ、ここはどこ…?誰か…助けて!!」

――え、千晴!?

俺が叫んだ時、上から深冬(だと思う)声が降ってくる。俺は思わず、上を見上げた。しかし、誰もいない。

「深冬!?何で……」

――僕にも分からない。でも、急に千晴の声が頭の中に響いて…。

……何でだろ。もしかして、俺は深冬の体の中に…?いや、まさか…。

「ねぇ、深冬。今、俺は何してる?」

――え?

「あー…俺の体はどうなってる?もしかしたら…と思って…」

――………その、もしかしたらが何か分からないんだけど…千晴は眠ってるよ。……あれ?眠ってるのに、千晴と会話出来てるよね?

「出来てるね。もしかしたら、美影の中に英太が居たみたいに、俺は深冬の中にいるんじゃないの?」

――…っ!?何でだろ…ちょっと、近くに由美たちがいるから話してみる。

「分かった」

それ以降深冬の声は届かなかった。

……どうすれば良いんだろ。何で、深冬の中に?

その瞬間、俺の目の前が真っ暗になった。真っ暗になる寸前、俺の目の前に一瞬だけ見覚えのある髪の長い女性が現れ、姿を消したような気がした。