「皐月、今日も飴舐めてるの?

毎日食べたら虫歯になるよー?」


いつもの中庭に、いつもの気になるアイツがいつものように飴を舌で転がしながらひなたぼっこをしていた


「…平気。オレ、小さいころにフッ素塗ってあるから」

「え、そーゆー問題?」


半ば呆れつつ彼の手の中にある飴の包装紙を見ていたら、最近新発売して食べてみたいと常々思っていたモノがあった


「……」



「何?」



「この飴、前から食べてみたい飴だったから……


ね、どうだった?美味しかった?」


皐月が“美味しい”って言ったら次買ってみよ、なんて考えていたら



「…じゃ、食べてみる、はーさん?」

「?…皐月は同じ飴は二個は持たない主義じゃなか…ッ!!」


柔らかく、温かな感触


その途端に口の中に広がるパイン味と、その物体




そして、目の前に映るはにかんだ笑顔の先にある、ドアップの皐月



「葉月、どう?」








    極甘プリンス
    「甘さと酸味がいいカンジの微糖デショ?」
    「…あなたの存在が甘いデス……」





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