さすがに何も言わないのは悪いと思い、私はちょこっとだけ詳細を話す。
「いや…ちょっと可愛いチョコをちょっと可愛くラッピングするだけだし…」
「そーゆーのを!」
亜美が私の耳元で囁く。
「本命チョコっていうの。」
急に体中の血液が顔に集まった気がした。
「舞香、顔真っ赤っか!」
「う、うるさい!」
すると亜美は歩き出した。もしかしたら少し強く言いすぎて怒らせたかもしれないと思ったが、今日の日番は亜美だというのを思い出した。きっと日番日誌を取りに行くのだろう。
「ま、とにかくさ。」
くるっと振り返る。
「舞香は後悔しちゃダメだよ。」
「う、うん…」
この亜美の一言が妙に耳に残った。