拓斗side
俺は恋というものをした事がなかった。


そんなことよりアニメだったし、する必要性が感じられな


かった。


そして俺はいつも嫌われる方向へ進むのだ。


今まではそんなの気にしてなかったし、慣れていた事だか


ら悪口を言われようとも堂々としていた。


ただあの日、、、唯一嫌われたくない人ができた。


その子は感性が違う俺の性格を指摘することなく


まるで気づいてないかのように接するのだ。


俺と気が合って、初めて共感出来る友達ができて、、、


俺の汚いところも直ぐに洗い流してくれる。


だからこそ本気になりたくなかった。


本気出して失いたくなかったから俺は友達として見ていた。

でもこの感情はみるみる膨大になって押さえるのも


大変になってきた頃だった。


「私も好きだよ」


一瞬意識が飛びかけた。


相手は友達としてみてる、そう理解しているのに


どうしても期待してしまった。


あ、俺案外脈アリなんじゃないか?


このままいけば、、、


でも相手にはそんな素振り一つも見せなくて不安になる。


いつから俺は感情的になっただろう?


感情的になれたのはただ一人アイツのおかげだ。


『なあ、好きだよ。水無月、、、』