人気者と一緒にいちゃいけないとか、ばかばかしい。 もう誰からも愛してほしいとは思ったりしないから、もう傷を突き刺さないでほしい。 どうでもいい、なんて。 ぜんぶどうでもいいなんて、最初から望む人なんていない。いないんだよ。 ずっと我慢して平気な人なんかいない。 「嫌いになんか…」 涼太が震えた声でぽつりと言った。 りょうたの服の袖を掴む空の手首に、涼太の指先がちょんと触れる。 「なってない」