『もしも~し、遼ちゃん♪迎えにきて~』

その口調から、かなり酔っているのは明らかだ。

ろれつが回ってないくせに、テンションが異様(いよう)に高い……



「お前な……他に迎えに来てくれる奴いるだろ。マネージャーにでも連絡しろよ」

夜中にジュリアの電話で起こされたのは、今日だけではない。

全く人の迷惑を考えない奴だ。



『やだ!遼じゃなきゃやなの~。遼が来てくれるまで待ってるから』

俺の返事も聞かず、一方的に電話が切られた。



「まったく……」

深夜の六本木を泥酔状態でさまようジュリアをほっとくこともできず……

俺は車の鍵を持って、立ち上がった。