Reality~偽りの歌姫~《完》

「遼、ありがと」

彼女の部屋の前に着くと、麗は顔を上げた。



俺の腕の中で無防備にその身をゆだねる麗

至近距離で俺を見上げ、くったくのない笑顔を見せる。



こいつは男を知っているのだろうか。

純真(じゅんしん)なあどけない笑顔。

俺に対する警戒心など全く見受けられない。



俺の心にあるものが麗に伝わってしまえば、麗は俺のことを軽蔑(けいべつ)するだろうか。



俺の中に渦巻く感情が伝わらないように、麗の手を離した。