Reality~偽りの歌姫~《完》

「ジュリと何もないこともないんじゃないの?」

琢磨は意味深に笑う。



「思い出したくないことならたくさんあるけどな……」

そう答え、麗のほうに目をやった。

こいつの前でこれ以上えげつない話をする気はしない。



「麗は誰かいるのか?」

俺の言葉に、麗は顔を上げた。

だいぶ酔いが回ってるのか……

だんだん目つきが妖しくなっている。



「俺っ……?さぁ、どうだろうな」

麗は笑ってごまかして、テーブルに視線を落とす。

その姿は、どこか寂しげに見えた。