「お酒って、高校卒業したら飲んでいいんじゃないの?」

麗はしれっとした顔で缶を開けた。



「そんな法律どこにもないだろ」

俺の忠告に耳を貸す奴はいないらしい……

和樹も麗の真似をして、冷蔵庫から缶を取り出した。

「遼、俺ももらうね!」

「和樹はまだ高校生だろ……」

「堅いこと言うなよ、リーダー!和樹だって芸能界で仕事してるし、もう立派な社会人じゃん」

缶をいくつか空にして既に酔いがまわってる琢磨が、俺の肩を叩く。



「お前ら、寮の外では絶対に飲むなよ。
週刊誌に載っても知らんぞ、俺は……」

「一回ぐらい載ってみたいよね、週刊誌!」

俺の話を笑い飛ばして、缶に口をつける麗。



こいつら本当に芸能人の自覚があるのか……

桜井社長が俺をリーダーに選んだ理由がよくわかった気がする。