麗はタオルをかぶったまま、俺のほうにVサインを作ってみせた。

顔を隠していたタオルをめくりあげ、勢いよく起き上がる麗。



「まかせとけ!」

そう言って、麗は笑った。

目がすっかり赤くなってる麗……

くったくのない笑顔。



こいつがこんなに嬉しそうに笑うのは、初めてみた。



普段は女っぽく見えないようにするために、あまり笑顔を作らないのだろうか。



子供みたいに得意げに笑う麗を見て、つい可愛いと思ってしまった。

【可愛い】なんて言葉は、麗には禁句だ。