「言っただろう。お前を辞めさせたりしないって」

麗からデモテープを取り上げ、その曲を流し始める。

「この曲は俺らしくない感じがする……」

そう言いながらも、真剣に耳を傾ける麗。

どこか切ないけれど、温かさが残るメロディー。



「俺は……お前にぴったりだと思う」

「そうか……?」

はにかんだ笑顔を見せ、また音楽に聴き入る麗。

その曲を聴く麗の目には、涙がたまっていた。



そして、麗が作詞したこの曲の題名は……

Bitter tears(ビターティアーズ)