「麗、本当にいいのか?」

俺はサングラスを外して、麗の顔をのぞきこんだ。



「……好きにしたらいいだろ」

そう(つぶや)き、麗は顔を背けた。

抵抗する気をなくしたのか、こいつの手からは力が抜けている。



俺が顔を近づけると、麗の肩が微かに震え始めた。



唇は固く結ばれたままだが……

その目には、今にも溢れそうなほど涙がたまっていた。