Reality~偽りの歌姫~《完》

「遼、ありがとう。あなたのおかげね」

静かに病室の扉を閉めると、桜井社長は淡々とした口調で話し出す。

緊急事態で男性スタッフも動揺を隠しきれないなか、この女社長の対応は完璧だった。

一切情報を外部に漏らさず、スタッフを的確に動かしている。



「私も不注意だったわ」

ベッドに眠るジュリアを眺めながらも、その目には何の思いやりも感じられない。

事務的な口調が耳についた。