Reality~偽りの歌姫~《完》

まだ怒ってるのだろうか。

麗は口元をとがらせて、歌詞を握りしめている。



怒っているような……
()ねているような表情。

俺の妹にそっくりで、笑ってしまった。



「何だよ……」

恐ろしく不機嫌な顔で、俺を見上げる麗。



「いや、お前は……
うちの妹と似てる気がしてきた」

今のは、言ってはいけないセリフだったのだろうか。



麗の動きが止まった。