Reality~偽りの歌姫~《完》

怯えたような表情を浮かべる麗。

それを見て、わずかに手の力が緩んだ。



次の瞬間、頬に勢いよく平手打ちが飛んできた。

「いい加減にしろよ……」



「もう……お前の顔なんか見たくない」

麗の潤んだ目が、俺をにらみつけている。

「今すぐ出てけ!」