それだけ言って先輩は私の返事も聞かずに行ってしまった。



1番角の部屋だから、先輩が曲がって姿が見えなくなるのはあっという間だった。



ショートが始まる15分前。
まだ、行動しなても十分に間に合うのに先輩はアラームまで付けてた。



先輩の教室は1階。
どんなにまったり行動しても5分経たずで着くのに。



今日は、日直なのかな。



なんて、妄想に笑って床に落ちたシャーペンを拾う。



あと、1回通そう。
今だったら完璧に弾ける気がする。



譜面を確認して、鍵に触れる。
さっき、先輩が頭を撫でてくれたみたいに優しく。



ポロリ ポロリ と奏でていく。



曲の題名は、さっきの私の時間を表してるみたいだった。