出会い

「優菜ちゃん、いつも来てくれてありがとう」

「爽羽さん!」

この人は、ここの責任者で、深月くんを育てた人、風見爽羽(カザミサワ)さん。

「私が来たくて来てるだけですから」

「ふふっ…深月くんにこんなに可愛らしい彼女が出来たなんて、嬉しいわ」

「さ、爽羽さん…」

「優菜ちゃんと出会ってから、深月くん、表情ますます明るくなったのよ。深月くんは面倒見がよくてね…あんなにいい子を、どうして殴ったりしたのかしら…」

「今までに、深月くんのご両親から連絡とかないんですか?」

「……っ!」

爽羽さんの表情は、一瞬にして強ばった。

「ここじゃなんだから、中に入りましょうか」

「え、は、はい…」