《優月story》

面倒は見てくれなかったけど、近所のおばさんがよく遊んでくれたりしたから、寂しくも、飢え死にすることもなかった。

俺は10歳だったから、力は強い方だった。

だから、親はほとんど深月に手を上げていた。

「うあぁ!!!」

「…っ!深月!?」

部屋に入ると、痣と血だらけの深月が倒れていた。

「深月!!!しっかりして!!!深月!!!」

「お兄…ちゃん…」

「なにしてんだよ!!!」

「言うこと聞かない深月が悪いんだよ」

「そうよ。深月が悪い。優月もやられたくなければ、言うこと聞くことね」

「くっ…」