「僕は…兄さんみたいに…愛想よくは出来ないんだよ…」

「深月…あ、兄さん買い物してくっから、深月は優菜ちゃんを送ってけよ」

「はっ、ちょっ、兄さん!」

お兄さん、なにを企んでるのやら。

しばらく沈黙が続いたあと、蒼井くんは口を開いた。

「…あの、さ…」

「ん?なに?」

小さい声で、こう言った。

「…僕と…友達、になってくれないかな…」

「…もちろん!」

「…っ、ありがとう…」

ぐっ、子犬みたいに可愛いお目目…

「えっと…友達になるなら、下の名前で呼ぼうよ。苗字だと変だし」

「…うん」