「深月……」

「気安く僕の名前を呼ばないでください」

「……っ、なによ、話って。てか、その子誰」

深月くんと私は、深月くんのお母さんに会いに来た。

深月くんのお母さんは、反省なんかしてなかった。

「関係ないじゃないですか。あなたは、僕の母親でもなんでもないんですから」

「はあ!?お腹痛めて産んだのは、この私よ!!!」

「そうですね。僕を産んでくれたことには感謝してますよ。そのおかげで、優菜に出会えたんだから」

「……っ」

深月くん……

深月くんは、ずっと私の手を握っていた。

微かに震えていて、だけど力強く握っていた。